トレーダーの相棒ともいえる取引ツール。多くの人が自分に最適なツールを選びたいと考えると思いますが、国内、海外を合わせると無数の取引ツールがあり、迷ってしまいます。
この記事では、国内FXと海外FXでの取引ツールの違いや、海外FXで使える取引ツールの選び方、おすすめの取引ツールをご紹介します。是非この記事で、相場を戦い抜く相棒を見つけてください。
海外FXと国内FX 取引ツールの違い
FXの取引ツールとは、相場の分析をし、価格動向を考え、注文を出すために必要なトレーダーにとって必須の道具です。取引ツールなしにFXで稼ぎ続けることは考えられません。それだけ大事なものですから、本当に自分に合う取引ツールを見つけましょう。
世界中のトレーダーに愛用されるMT4とは
世界中の取引ツールの中で、最も有名な取引ツールといえば、MT4です。これはロシアで発足したMeta Quotes社(2020年現在本社はキプロス)が2005年に開発したプラットフォームで、前身のプラットフォームに改良に改良を重ねてリリースされました。
MT4はクリックやドラッグ&ドロップでほとんどの操作が完結するため操作性が高く初心者にも人気です。一方カスタムインジケーターや自動売買EAを導入できるカスタマイズ性、専門性の高さは、上級者からも評価され、非常に多くのトレーダーが愛用するツールとなりました。
海外FX会社では、ほとんどの会社がMT4もしくは改良版のMT5に対応していて、優れた取引環境を提供しているといえます。
国内FXの取引ツール
一方、国内FXでは今でも独自開発の取引ツールを提供しているFX会社が多く、MT4に対応している会社は増えてきているものの、まだまだ広く普及しているとはいえないのが現状です。MT5の導入に至っては、2020年10月現在、未だ2社しかありません。
国内FXでは、取引ツールも会社を選ぶための比較対象となっていて、各社開発に励んでいます。しかしMeta Traderと比べると、チャートの拡大縮小の幅や操作のしやすさ、インジケーターの数、導入できる自動売買の種類など、物足りなさを挙げればキリがありません。
海外FXの取引ツールは、国内FXと違い、自社開発していないFX会社もあるくらいですから、それほど種類が多いわけではありません。国内FX会社のように、独自ツールを開発して提供している海外FX会社もありますが、海外FXの独自開発ツールはどれも使いづらく利用するメリットはほぼ無いといえます。
海外FXで使えるおすすめ取引ツール4つ
海外FXで使える取引ツールは、FX会社独自開発のものを除くとそんなに多くはありませんが、その中でもさらに厳選すると、以下の4つがおすすめです。
- MT4
- MT5
- cTrader
- Trading View
よく聞く取引ツールばかりかもしれませんが、やっぱりこれです。ここに挙げた取引ツールの特徴や、それぞれの違いを詳しくご紹介していきますので、自分に合った取引ツールを探してみてください。
カスタムインジやEAが武器のMT4
MT4はMeta Quotes社が開発した世界中のトレーダーに愛用されている取引ツールです。国内トレーダーからもその人気は高く、国内FXでも導入する会社が増えています。
MT4の最大の魅力は、何と言ってもカスタマイズ性の高さ。インジケーターや自動売買EAは多くのトレーダーやプログラマーが開発し続けていて、「こんなのあったらいいな」がほとんどあるという豊富さです。中には有料で販売されているものもありますが、無料で出回っているものでも十分高性能で、チャート分析には欠かせない存在となっています。
私が使っているMT4のチャート画面は、次のようなインジケーターを表示させています。
- EMA(指数平滑移動平均線)
- Envelope
- RCI(無料カスタムインジ)
- Waddah Attar Weekly Pivot Fibo Indicator(無料カスタムインジ)
これらを、それぞれ時間足を選択して表示させています。
RCIとweeklyピボットはデフォルトではMT4に入っていないので、ネットで検索して見つけたものを導入しました。
表示させるインジケーターが多いと、FX会社によっては操作するたびにチャートがフリーズすることがあるので、気を付けてください。
私が使用した感じだと、AxioryのMT4が最もスムーズに動いてくれます。逆に良くないのは、is6でした。相性もあるので、自分に合ったツールとFX会社を選択しましょう。
MT4の動きを軽くする方法として、PCのメモリを整理するという方法がありますが、これ以上整理しきれないという人は、インジケーターやローソク足の表示をなるべく最小限にしてみてください。
- 表示時間足を必要最小限にする。
デフォルトだと、全ての時間足にインジケーターが表示されます。普段見ない時間足にはインジケーターを表示させない設定にするだけで、だいぶ軽くなります。 - 表示させる過去の時間足を減らす。
メニューバーのツールからオプション⇒チャートと進むと、表示させる時間足の数を変更できます。
- チャートの表示数を減らす。
普段あまり見ないけど、なんとなく表示させているチャートはありませんか?もしあれば、これを削除するだけでチャートの動きは軽くなります。削除したチャートを再表示させたいときは、メニューバーのファイル⇒チャート再表示をクリックすると過去に削除したチャートが一覧表示され、クリックすれば削除した当時の状態のチャートを再表示できます。 - Axioryにする。
いろんな会社のMT4を使ってきましたが、AxioryのMT4が一番サクサク動いてくれます。
メジャーバージョンアップ版のMT5
MT5は、MT4のメジャーバージョンアップ版として、2011年にリリースされた取引ツールです。概ねインターフェースはMT4と変わらず、操作もほとんど同じなので、MT4から乗り換える人も使いやすいでしょう。
バージョンアップというくらいですから、MT4よりも改良された部分があります。MT4との違いと合わせて確認していきましょう。
MT5の特徴1.動作が早い
MT5はMT4と比べて、動作が早く、サクサク動きます。MT4の説明で、インジが多いと動きが止まることがあると書きましたが、MT5は同じ量のインジを表示させてもサクサク動きます。
もちろん、レートの配信も早いので、トレーダーとしては安心してトレードに集中できます。
MT5は64bitで作動するようになっています。従来の32bit版もあるので、PCのスペックに合わせて動作してくれます。
MT5の特徴2.時間足が豊富
MT5には、21種類の時間足を表示できます。MT4では9種類の時間足だったので、随分と分析の幅が広がります。
MT4から増えた時間足は、2分足、3分足、4分足、6分足、10分足、12分足、20分足、2時間足、3時間足、6時間足、8時間足、12時間足です。
どの時間足を見るかは、トレーダーによって様々です。どの時間足が良いということもありませんので、自分が分析しやすい時間足を観察しましょう。
ちなみに私は、1時間足、5分足、1分足をメインとして見て、あとの時間足はあくまでも補助的な役割としています。
MT5の特徴3.取り扱い銘柄が豊富
MT5では、MT4で取引できなかった銘柄を取引できます。従来の通貨やCFDに加え、仮想通貨や債券、世界の個別株も取引できるようになりました。ただし、FX会社によって取り扱い銘柄に差がありますので、事前に確認しておきましょう。
個別株を取引できる海外FXは、最大レバレッジ3,000倍のFBSです。この会社は取り扱い銘柄が豊富で、ハイレバレッジで個別株を扱えるのが特徴ですが、それ以外の際立ったメリットはありません。Meta Traderで株式取引がしたい人にはおすすめです。
MT5の特徴4.レート一覧が見られる
レート一覧は、MT4のアプリ版ではありましたが、PC版ではありませんでした。MT5では、レート一覧とチャートを同時表示させ、値動きを見つつワンクリックで発注できます。
MT5のデメリット
MT4に比べて動作が早く、時間足や取り扱い銘柄も増えたMT5ですが、デメリットもあります。
MT4が2005年にリリースされ、世界中のトレーダーが愛用したことにより、多くのトレーダーやプログラマーがMT4のインジケーターや自動売買を作成し、流通させてきました。一方2011年にリリースされたMT5には、MT4ほどのインジケーターや自動売買がありません。
またMT4とMT5ではプログラミング言語が違うため、互換性がありません。MT4で使っていたカスタムインジケーターや自動売買をMT5に移植して利用することができないのです。そのため、未だに多くのトレーダーがMT4を愛用し続けています。
MT4のインジケーターと全く同じものはなくても、名前が違うだけで昨日は同じというようなMT5用のインジケーターはあったりします。
MT5の動作性が良くて使いたいけどMT4で使っているインジケーターがないとトレードできないという人は、諦めずに探してみましょう。
MetaTrader 5のためのMQL5ソースコードライブラリ⇒https://www.mql5.com/ja/code/mt5
私がMT4で使用しているRCIは、fxnav_RCI3ですが、同じものはMT5にありません。代わりに、spearmanrankcorrelationというRCIインジケーターを見つけて、表示させています。
要はRCIを一段に3本表示できるインジが欲しかったのでこれでOKです。
MT5が使えるハイスペックな海外FX会社ならTitan FXです。取引環境は良いし日本語サポートもしっかりしています。ただキャンペーンがないのでとっつきづらいかもしれませんが。思い切って使ってみると、良さがわかります。
Titan FX公式サイトへ
新進気鋭のcTrader
cTraderは、イギリスのspotwearという会社が開発し、2011年にリリースした取引ツールです。Meta Traderの対抗馬と言われることもありますが、正直まだそれほど普及しているわけでもなく、使い勝手が良いかというと、そうでもありません。海外FXでも、cTraderを使える会社は、AxioryとTrade Viewくらいです。
cTraderの特徴をいくつか挙げると、
- 板情報がデフォルトで見られる
- 損切りと利確をドラッグアンドドロップで設定できる
- ECN取引に対応している(高速約定)
- 操作性が良い
といったところなのですが、これらすべてMeta Traderでも可能なので、残念ながら今はまだcTraderを選択する理由にはなりません。
なおMT4で板情報を見るためには、カスタムインジケーターをインストールする必要があります。Axioryの公式サイトにありますので、ダウンロードしましょう。
ただ、cTraderにはMeta Traderにない良い機能もあります。以下の機能は全てデフォルトでcTraderに搭載されているものです。
- 表示時間を日本時間に変えられる
- 保有ポジションの損益がチャート上で確認できる
- ローソク足の確定までの時間が表示される
- 注文数量に応じた必要証拠金が表示される
カスタムインジケーターや自動売買EAの数が少ないのが気になるところですが、便利な部分も多いだけに、将来性に期待したいところです。今から使って慣れておくのも良いでしょう。
ちょっとマニアックな話ですが、Meta Traderのプログラミング言語は、MQLという言語で、あまりオーソドックスなものではありません。
一方cTraderのプログラミング言語は、C言語で非常にポピュラーです。そのため、多くのプログラマーが自動売買やカスタムインジケーターを作成しています。その数はまだまだMeta Traderには及びませんが、これからインジケーターやEAが充実してくれば、十分戦力になる取引ツールです。
操作性抜群多機能チャートTrading View
Trading Viewは、高機能で操作性が高く、チャート分析に非常に長けているツールですが、残念なことに海外FXでTrading Viewを使ってトレードできる会社はありません。国内でもOANDA Japan、サクソバンク、FOREC.comくらいのもので、取引ツールとしては利用しづらいのが現状です。
ただ、それでもここで紹介したくなるほど高機能のチャートなので、分析ツールとして活用し、発注はFX会社から行うという使い方が良いでしょう。
Trading Viewの特徴
Trading Viewはブラウザで利用できるため、デバイスを選ばずネットに繋がる環境であればどこでも利用できます。
上のチャートを操作してもらえばわかりますが、チャートの拡大縮小はマウスホイールで操作でき、非常に滑らかに動くので、自由な大きさでチャート分析できます。6段階しか大きさが変わらないMeta Traderでは、これほどの自由度は感じられませんでした。
また搭載されているインジケーターも実に豊富で、使いたいインジケーターがないということがありません。また一つのチャート上に複数の銘柄を表示できるため、相関関係から新しい分析結果を導くこともできます。
画像は、ドル円のチャートにドルインデックスの値動きを重ねたものです。この時は、ドル円とドルインデックスの動きは逆相関にあることがわかります。
他にもたくさんの分析機能が備わっているので、是非一度無料版で試してみてください。無料版でも、登録すれば十分な機能が使えます。
自分に合った取引ツールとFX会社を見つけよう
取引ツールは相場を戦い抜く相棒です。より慎重に、より多くのツールと触れて、その実用性を確かめてください。
今はMeta Traderが非常に人気で、多くのトレーダーに愛用されていますが、cTraderにもその可能性は秘められていて、広く普及するにはそう時間はかからないでしょう。またTrading Viewは取引で使える会社は少ないものの、分析ツールとしては非常に優れています。
自分に合った取引ツールとFX会社を見つけて、自信をもってトレードしましょう。