テーパリングと米国債とドル円と、週明けのクロスオージー。

米10年国債利回りとドル円とテーパリング トレードプラン

テーパリングによる経済的な影響について、注目が集まっています。今回のFOMCにおけるテーパリングの開始の発表は、為替相場の反応から見てもすでに織り込まれており大きなサプライズはなかったと判断するのが妥当です。

さらに、11月4日㈮に行われた雇用統計の発表でも特筆すべき値動きはありませんでした。

雇用者数は増加傾向ながらも、期待されていた増加には遠く、雇用回復の鈍化を感じさせる数値でしたが、大きな値動きがなかったことは、ファンダ派お得意の織り込み済みであったということでしょう。

とはいえ、FRBの動きから為替相場の動向を探りたくなるのは、FXトレーダーの性ともいえます。

今回は、テーパリングによる経済への基本的な影響を考えてみましょう。

 

国債価格下落=国債利回り上昇

債券にかかわらず、大規模に購入するプレーヤーがいれば、価格は上昇するのが一般的です。逆に、売られれば基本的に価格が下落することも疑う余地はないでしょう。

つまり、テーパリングを行うと米国債価格は下落します。

米国債価格が下落すると、米国債利回りは上昇します。

国債価格と国債利回りは逆相関になっていて、価格が上昇すれば利回りは下落し、価格が下落すれば利回りは上昇するという関係性です。

ただ、相場で実際に取引されている価格は理論通りに行かないもので、11月に入ってからの米10年国債先物の価格は上昇し、利回りは下落しています。

【米10年国債先物】

米10年国債先物チャート

参照:Investing.com(https://jp.investing.com/rates-bonds/us-10-yr-t-note-streaming-chart)

【米10年国債利回り】

米10年国債利回りチャート

 

国債利回りとドル円とテーパリングと

ここからは、米国債利回りとドル円の為替動向を探ってみます。

こういうときに便利なのが、Trading Viewです。

同一チャートに複数銘柄を表示させて比較できますし、チャート表示できる銘柄数が段違いで豊富です。

【米10年国債利回りとドル円】

米10年国債利回りとドル円チャート

ぱっと見、2012年あたりまでは相関関係がありそうですが、それ以降はあまり関係がないようにも見えます。

もう少し詳しく見てみます。

今度は、テーパリング関連の出来事を付け加えてみましょう。

【テーパリングと米10年国債利回りとドル円】

米10年国債利回りとドル円とテーパリング

2013年5月23日、バーナンキFRB議長(当時)のテーパリングを示唆する発言を受けて、市場は大きく動揺したと言われています。

実際、米10年国債利回りは上昇しましたが、チャートを見るとその前から上昇しています。つまり、発表を前に織り込んでいた、もしくは気づいて先に動いていた投資家がいたということでしょう。

また、バーナンキ氏の発言を受けて、ドル円は一旦円高方向に舵を切ったようにも見えますが、約半年間の横ばいを経て上昇しました。

その後、実際のテーパリング期間は2014年1月から10月でしたが、その間米10年国債利回りは下落し、ドル円は長らく横ばい。同年後半の円安への加速は、米経済が順調に回復していることと合わせて、日銀が二回目の金融緩和に踏み切ったことがきっかけとされています。

結局テーパリングだけで為替相場を占うことはできそうにない

米国の目立った金融政策が行われると、どうしてもそこからトレードのヒントを得たいと思うものですが、過去のテーパリングや米国債利回りの動向から、はっきりとした傾向を掴むのは難しそうです。

米国経済が世界の相場に与える影響が大きいのは紛れもない事実ですが、ドル円相場は、米ドルと日本円の相対的な価値により決まるものであり、米国経済だけの都合で決まるものではありません。

今回の分析だけでファンダを諦めるのは早計かもしれませんが、その確かさや資金効率を考えると、テクニカルによるトレードに頼りたくなるのは、私だけではないはずです。

週明けのクロスオージー

ここからは、週明けのクロスオージーを見ていきます。

中でも、ユロオジとポンオジはボラの大きな通貨ペアで、デイトレーダーの好物とも言えるでしょう。

扱うには一定の経験と知識と技術が必要ですが、狙えるのなら狙って行きたい通貨ペアです。

【ユロオジ30Mチャート】

ユロオジ30Mチャート

長らく432EMA(日足9)を抜けられずにダウントレンドを継続してきましたが、11月に入って大きく上昇し、432EMAをはっきりと上抜けました。

ダマしになって下落することも多いですが、先週は一週間粘って上に位置しています。

三尊に見えるような局面もあり、売りたいショーターは多かったはずです。

【ユロオジ5Mチャート】

値位置もRCIも悪くないですが、勢いのある上昇が気になります。ショートポジションを長期保有するには、追加の根拠が必要です。

画像内の売りたい局面でのショートは伸びず、欲を出さなかったトレーダーが勝った場面になりました。仕掛けが上手ければ微益または建値撤退のポイントです。

その後はじわじわと上昇し、はっきりとした強い動きが入ってきているわけではありませんが、粘りのある値動きが確認できます。

高い位置なので、売りたくなりますし、おそらく週明けも売られるような動きが発生するでしょう。

しかし、こういう値動きで気をつけなければいけないのは、ガラガラと崩れるような下落を思わせておきながら、じわじわと上昇が継続するケースです。

形もRCIもショートにうってつけの局面がやってきます。色を出して長期保有を試みると、踏み上げられて含み益が一転、含み損に早変わりしますので、気をつけましょう。

逆に言うと、高い位置から売りたいトレーダーや、この上昇を見て買ってくるトレーダーも参加してくる相場なので、欲張らなければどっちでも利益を得られる相場ともいえます。



【ポンオジ30Mチャート】

ポンオジ30Mチャート

ポンオジは、ユロオジと違って、432EMAを一旦上抜けたものの、再度下方に割り込んできてしまいました。

今は中途半端な値位置ですし、5分、1分のチャートを見ても小動きになっていて、すぐに仕掛けたくなるような感じではありません。

ここから上昇すれば、ダブルトップを見ながらRCIでタイミング図りつつショートを入れることになりそうです。

逆に、今の値位置から下落すれば、ダブルボトムからの上昇を考えてロングを入れる戦略が考えられますが、今の所どちらかというと下方向への動きが続きそうな感じなので、値動き、形、RCI、値位置が相当良くないと、ロングは控えたい相場に見えます。

ロングするなら、大きく上昇してから押し目を拾うプランでも全然遅くないです。

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