ドル円が大幅に下落しています。
FOMCで米金利0.75%利上げが発表されてからの下落ですから、ドル買いで入ってしまった人は残念です。
利上げ=買われるといういわゆる単純な方程式のようなものは相場の世界にはないと思ったほうが良いのかもしれません。
米金利0.75%の利上げを発表
今週木曜日の午前3時にアメリカのFOMCが開かれ、そこで金利0.75%の利上げが発表されました。
昨年から米国はテーパリングを開始し、順調に利上げししてきています。
対して日本は利上げできる状況ではなく、日米の金利差は開くばかりです。
ダイアモンドオンライン(https://diamond.jp/articles/-/302457)
2022年7月29日時点では、米国10年債の利率は2.88%、日本10年債は0.20%です。
利上げなのにドル売り??
利率の良いものを手に入れようとするのは、投資家にとって当然の心理ですから、高金利のドルが買われて低金利の円が売られるというのは当たり前のような気がします。
ここまでの円安は日米の金利差を理由とする論調も目立っていました。
しかし、今回のFOMCでアメリカが引き続き利上げを発表したにも関わらず、大きくドルが売られているのはなぜでしょうか?
投資家は先を見て行動する
基本的に投資家は先を見て行動します。
つまり、利上げをしたからドルを買うのではなく、利上げをしそうだからドルを買うのです。
賢い投資家は、昨年米国がテーパリングを始めたときから、もっといえばテーパリングを始める前からドルを買っていたでしょう。
そして米金利は順調に上昇し、ドルが買われ、上昇前からドルを買っていた投資家は利益を出します。
だからこそファンダでトレードする投資家にとっては早めの行動が鍵になりますし、サプライズを嫌います。
「現在の価格は半年先の経済を予測している」という言葉がありますが、その通りかもしれません。
半年先までに起こると思っていなかったサプライズがあれば、相場(投資家)は大きく反応しますし、予定通りであれば落ち着いていて、半年先まで大した出来事がなさそうだと思えば、手仕舞いすることになるでしょう。
「織り込み済み」は便利な言葉だけど・・・
よくアナリストが織り込み済みという言葉を使いますが、あまり好きではありません。
結果論でなんとでもいえるようなことをそれっぽく言ってるだけにしか見えません。
ただ、相場が先のことを織り込んで動いているということは頭に入れておきたいですし、何をどれだけ織り込んでいるかを意識しておくと、なにかの指標などで大きく動いたときに、自分の中で納得感を持ってトレードに挑めることもあると思います。
そういった視点で今回の利上げからのドル売りを考えてみれば、
ここまでの利上げを想定して十分にドルが買われてきて、今回も予想通りの利上げだった。
↓
これから先も利上げをするかもしれないが、利上げのペースは鈍化しそうだ。
↓
ここで手仕舞っておこう。
↓
ドル売り。
かなり簡易的ですが、こんな流れと解釈できます。
ドルはもう少し売られそうです。
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