米連邦制度準備理事会(FRB)は、11月2日から3日にかけて開催された連邦公開市場委員会(FOMC)において、テーパリングを開始すると発表しました。
今までFRBは大量に国債等を購入し、市場に資金を供給してきましたが、この国債等の購入額を段階的に減少させ、市場への資金供給を絞っていくことが、テーパリング(量的金融緩和の段階的縮小)です。
テーパリング(tapering,taper=先細り)なので、段階的に絞っていくという点も大切なポイントです。
急に全部ストップさせたら、みんなビックリしちゃいますからね。
FRBは、2022年6月にテーパリングを完了させる計画で、債券購入額を毎月100億ドル、MBS(モーゲージ証券、不動産担保証券)購入額を毎月50億ドル減らしていくということです。
市場への資金供給をストップさせる理由として、インフレ率が挙げられます。
無制限に市場に資金を供給し続けると、貨幣の価値が大きく下がり、物価が上昇し、過度なインフレが発生します。
だからこそ常に政府はインフレ率を監視しながら、資金の供給量を調整し続けているのですが、今回、ある程度のインフレ傾向が確認できたということでしょう。
ただFRBとしては、このインフレ傾向は一過性のものであるという認識のようですが。
余談ですが、アメリカや日本のように自国建て通貨を発行できる国は、デフォルトを起こすことはないという理論があります。
日本が大量の債務を抱えているという話はよく知られているところで、債務額はGDPの2倍を遥かに超えており、非常にまずい状態だと認識されることが多いですが。
好き勝手日本円を発行すれば行き過ぎたインフレになる可能性がもちろんありますが、インフレ率を観察しながら、適度に日本円を発行すれば良いということです。
でも実際日本政府はプライマリーバランスに縛られていて、それをしません。
ちょっとMMT理論に偏った話になってしまいましたが、一度勉強する価値はある理論だと思います。
テーパリングに触れておきながらなんですが、私はドル円をトレードしません。笑
理由はボラが小さいから。
今の観察対象は、ポンドル、ポン円、ユロオジ、ポンオジです。
直近では動きが大きくなってきていて、ある程度取りやすい相場が増えているように思います。
ただ、基本的には反応を取るトレードなので、高いところで売って、低いところで買うという作業になります。
チャート分析
それでは、チャート分析をしてみます。
ポンドドル
ポンドドルのチャートを確認してみましょう。
【ポンドドル30M】
30分足を観察しているのは、スキャルやデイトレでは、仕掛けから決済までの値動きを考慮して30分の縮小チャートがあれば十分だからです。
10月後半続いた横ばいの値動きから、11月に入って明らかなダウントレンドです。
30分足チャートには、EMAとRCIを表示させています。
432EMAは日足の9EMAを30分足チャートで観察するために表示させています。
日足チャートで9を観察すると、ほぼローソク足にくっついている状態で、あまり参考にならないことが多いですが、30分足チャートで見ると、EMAと値動きの関係性や反応を確認できます。
200と100は一般的な数値でしょう。
POを認識したいので、あまり近すぎる数値で設定することはないです。
10月29日にEMAを大きく割り込んでから、1週間ダウントレンドが継続しています。
つまり、戻したら売りたい相場です。
どこまで戻したら売りを検討するのかは、相場によりますが、ひとまずこのチャートから考えるとしたら、EMAまでの戻しです。
ただ、それだけではモメンタム等を考慮しきれないので、RCIやエンベロープ、チャートパターンを参考にします。
次に5分足を見てみましょう。
【ポンドドル5M】
底値から徐々に上がってきたところで、雇用統計の発表があり、一旦は大きく下げたことが下ヒゲからわかります。
ただ、下げきることができずに跳ね返されて、その後は上昇に転じました。
雇用統計で一旦下げたポイントは、そこからダウントレンドが再開しても不思議ではないポイントで、最も早い戻り売り局面です。
そこに雇用統計というブースターが重なり、素早い値動きを見せましたが、下落が継続せずに上昇したことによって、このポイントで売ることを諦めたトレーダーは多かったのではないでしょうか。
それでも30分足チャートでダウントレンドを崩したわけではありませんので、まだ戻り売りが狙われていたと思います。
次の戻り売りポイントを確認するために、1分足チャートを見ていきましょう。
【ポンドドル1M】
次の戻り売りポイントは、白い四角の中です。
よりビビッドに狙っていくなら、Mの左山ですが、より確実に狙っていくなら、右山を狙う場面です。
この局面は、2本のEMAに挟まれていて、レンジを形成しやすい状態となります。
また、ショートとロングが拮抗することも多く、ポジションを長く保有して値幅を取るには根拠の追加が必要です。
チャートを更に拡大してみます。
アが次に訪れる戻り売りチャンスです。
小さなダブルトップの右山ですが、RCIは悪くありません。
ただ、右山の形が良くないので、RCIでタイミングを図るのに苦労しそうです。
ここでのショートはあまり値が伸びていないようにも感じますが、15pipsはあります。ただ、全てを取るには根拠が薄く、雇用統計での下落が踏み上げられていることを考えると、欲張るべきではないでしょう。
次にイですが、ここは本来最も有力な戻り売り候補になるべきポイントです。
形、RCIともに悪くはありませんが、ここでのショートは失敗しています。
よほど良いタイミングで仕掛けていれば、微益または建値で逃げられているでしょうが、基本的にここでもショーターは踏み上げられていると考えられます。
EMAで挟まれた局面は、スクイーズしていき、ウェッジを形成しやすい状態です。
つまり、仕掛けても値が伸びない可能性も含みおき、仕掛けを検討しなければなりません。
週明けの展開次第では、30分足の200EMAあたりからのショートを検討しても良いでしょう。
しかし、当然モメンタムやチャートの形状を把握してからです。
コメント